日記の習慣は自己の成長にどう役立つか

だが、私は読み返してみて、あのときの自分の思い、絶望感を、よくぞこれほど正直に書き残せたな、と思った。

サーシャ・バイン『心を強くする 「世界一のメンタル」50のルール』(飛鳥新社)

13歳の少年は、もう自殺するしかないという思いをだれに打ち明ければいいのかわからず、すべて正直に日記に書いたのだった。それによって、幼いながら自分の気持ちを整理できて、あの危機をかろうじてくぐり抜けられたのだと思う。

あなたにも日記を書くことをお勧めしたい。自分の気持ちを正直に、率直に見つめ、他人に話せないことでも日記に書けば、自分の成長に絶対に役立つだろう。日記をつけるのは、いわば、自己精神療法を行うようなものだ。周囲のだれにも打ち明けられない思いでも、そこには思う存分吐きだすことができるのだから。

少年の頃にはじめた日記を書く習慣を、30半ばに達した今も、私はつづけている。一時中断していたのを再開したのは、ドイツでの平穏な暮らしに別れを告げてアメリカに渡り、セリーナ・ウィリアムズのヒッティング・パートナーになったときだった。それを境に、当時、私の人生は目まぐるしく変わった。セリーナがビッグな存在になるにつれ、コート外での私の暮らしにもそれなりの華やかさが加わった。

アカデミー賞授賞式のパーティーに同行したり、各界のセレブと共にコンサートに招かれたり……これはぜひ日記に書き留めておかなければ、と思ったのである。新しく購入した自宅で最初の夜をすごしたときは、「よくぞここまでやってこられたな」と日記に記した。そして、それまで精いっぱいに生きてきた自分の人生をじっくりと振り返ってみたいと思った。いま、私の日記帳は3冊目になっている。いいことも悪いことも、そこには書きこんである。

感じたことを正直に書き記す

日記の効用とは何だろう?

まず頭に浮かぶのは、現在の自分の暮らしを的確に分析できることだ。今のままでいいのか、それとも、変えたほうがいいのか。変えるとすれば、どこをどういうふうに?

その日に経験したこと、感じたことを正直に書く。大事なことはなるべく詳細に書くといい。そうすることで、あなたの頭に長く留まるはずだ。とにかく、忘れないうちに、すべてを正直に書き記したい。