衆議院議員選挙は、小選挙区比例代表並立制を採用しており、勝負となる小選挙区は一選挙区に一人しか当選しないので、与野党の候補者は必ず一騎打ちの状態にしなければならない。すなわち、与野党の陣営において、候補者を2名以上出した時点で、陣営内で票が分散し、その陣営は負けとなる。

自民党・公明党の与党はきっちりと調整し、全選挙区、かならず候補者を1人に絞る。

問題は野党だ。

これまで各野党間で調整がきちんとできずに、野党陣営の複数候補者が立候補する選挙区が多かった。その時点で、野党は負けが決まる。

政権を決める(内閣総理大臣を決めるのは事実上衆議院議員による多数決)衆議院議員選挙において、小選挙区制を採用したということは、与野党が競い合う二大政党制を目指していることにほかならない。そして、野党が強くなって、与党に緊張感を持たせ、与野党が切磋琢磨することが二大政党制の目指す姿だ。

とにもかくにも野党には強くなってもらわなければ、日本のためにならないが、野党陣営が各小選挙区において候補者調整がつかず、候補者を複数人擁立した時点で、弱い野党になることが決まってしまうという事態が、今の日本の不幸である。