7月21日に行われた参議院選挙。枝野幸男代表の立憲民主党など野党各党は、「野党共闘」を掲げたものの自民・公明政権には歯が立たなかった。本気で政権奪取を狙うなら、やるべきことはほかにあると橋下徹氏は力説する。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(7月30日配信)から抜粋記事をお届けします。
2019年7月21日、第25回参議院選挙の開票センターで、TV番組とやりとりする立憲民主党の枝野幸男代表(写真=時事通信フォト)

野党陣営はできるだけ早く候補者を一本化せよ

参議院議員選挙が終わり、自民・公明が圧勝したが、憲法改正の発議をするために必要な3分の2の議席は確保できなかった。

すかさず、7月25日に、国民民主党の玉木雄一郎代表が、憲法改正に前向きな発言をした。ところが翌26日には、発言を事実上撤回。これまでの姿勢に変わりはないという。党内において猛反発が出たので、それに配慮したらしい。

国民民主党のこのような姿勢が、有権者の心を遠ざける。

(略)

今回の参議院議員選挙の投開票日の7月21日、僕は、関西テレビの選挙特番に出演した。その際、僕は立憲民主党の枝野幸男代表と、玉木さんと話す機会があった。

僕は枝野さんに「野党の一本化にあたって、国会議員同士で協議するやり方は、有権者を引きつけないのではないか? やはり野党間で予備選挙をする必要があるのではないか?」と尋ねた。

枝野さんは「今回の統一候補は国会議員だけで決めたわけではない。市民連合の皆さんにも関与してもらった。野党間の予備選挙は今の日本の制度上できない。これからも私の責任で野党候補を統一していく」と答えた。

僕はさらに「野党の方向性として、立憲・共産の方向性(A)と維新・国民民主の方向性(B)のいずれがいいのかを、まずは各党が激論で戦い、自民・公明党と戦う前に、野党間で準決勝をやるべきでは? 有権者は野党間の激論を見たがっているはず。野党間でつぶし合いをすることが有権者を引きつけるのでは?」と尋ねた。

しかし枝野さんは「私の責任で候補者をまとめていく」と答えるのみだった。