「特定のファンとの私的交流」には回答できず
山口は3月22日、運営会社のAKSの松村取締役が事件について会見している間に、5回ツイッターで投稿して、「なんでうそばっかりつくんでしょうか」「記者会見に出席している3人は、事件が起きてから、保護者説明会、スポンサー、メディア、県と市に、私や警察に事実関係を確認もせずに、私の思い込みのように虚偽の説明をしていました。なんで事件が起きてからも会社の方に傷つけられないといけないんでしょうか」と書き込み、それをもとに質問する記者を使って、松村たちAKS側を追い詰めるという見事な戦術を繰り広げたのである。
AKS側は山口の謝罪を要求されたというツイッターに、「要求はしておりません」と否定したが、続く「特定のファンとの私的交流はメンバーのみならずファンも知っている」との指摘に対しては、回答できなかった。
たまりかねたAKS側は、この事件の真相を葬るためだろう、NGT48のチームNIII(9人)、チームG(11人)をそれぞれ解散し、山口真帆、長谷川玲奈、菅原りこの3人を除く17人を「1期生」「研究生」と分けたうえで、再スタートを切ると発表。そして先の山口の「卒業宣言」になるのだ。
新潟県も「スペシャルサポーター」の再契約は見送りへ
被害者である山口と、彼女と仲のいい2人のメンバーを"追放"して、事態を収拾しようというのかと、ファンからの反発は激しく、スポンサーなども離れていった。
大手アパレルのアダストリアが、自社のファッションブランド「ヘザー(Heather)」のプロモーションにNGT48の荻野由佳を起用することを4月17日に発表した。だが、「なぜこの時期に起用するのか」という、荻野起用を疑問視する声が同社のSNSなどに殺到して、このプロモーションは中止に追い込まれたのである。
9月に地元で開催する「国民文化祭」「全国障害者芸術・文化祭」のスペシャルサポーターにNGT48を起用していた新潟県も、再契約しないといわれている。
新潟県には、今年の1月以来、県の内外から3000件近い苦情のメール、電話、手紙が来ているという。
これではNGT48を再結成しても、以前のような熱い感動は生まれはしないだろう。まさに初期対応を間違えた運営側、AKSの完敗である。