メディア合同で秋元康に記者会見を求めてはどうか
文藝春秋は女性誌が少ないということもあり、一時、彼女たちのスキャンダルは文春の一手販売だった。ようやくAKBを含むグループの人気が下降線になり、今回のNGT48問題も各誌載せるようになったが、その前に、AKB商法についての見解を誌面で発表するべきではないのか。
提案がある。各誌が合同で秋元康に、NGT48問題とAKB商法について質問状を出し、秋元に会見を開いてもらったらどうか。
もちろん、テレビや新聞にも入ってもらって、ニコ動かAbemaTVで生中継したらいい。それでも逃げるようなら、秋元康神話は一気に崩れる。
山口真帆さんは、たった一人で戦い、男たちに勝利した
それにしても、このところ女性の活躍が目覚ましい。安倍首相と親しいだけが売りだった元TBSの記者に、酒を飲まされて性的虐待を受けたことを、名前も顔も出して告発した伊藤詩織。
大林組の幹部リクルーターに就職を餌に性的関係を結ばされたと告発した新入社員や、在イラン日本大使館公使室で、駒野欽一イラン大使から強制ワイセツ行為を受けていたと女性外務官僚が3月に刑事告訴をしたが、伊藤の行動が、そうした女性たちに勇気を与えたのではないか。
秋篠宮佳子さんが、大学を卒業するにあたって記者の質問に答えた中で、姉の眞子さんと小室圭との結婚を支持すると表明、さらに、今のメディアの報道のあり方に疑問を呈したのも、勇気ある行動だった。
週刊新潮(5/2/9号)によれば、宮内庁関係者が、佳子さんの書いた内容を宮内庁の担当職員が見て、佳子さんに修正をお願いしたそうだ。
「一個人」という表現や、あからさまなメディア批判だったから、物議を醸すと判断したからだそうだが、佳子さんは「父もしていることなのに、なぜいけないのですか」と押し通したという。
あっぱれではないか。山口真帆は、たった一人で秋元康の威光を笠に着て、自分たちのことなど金儲けの手段としてしか考えていないAKSと戦い、勝利したのである。
東大の新入生歓迎の祝辞で、上野千鶴子名誉教授は「社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています。東京大学もまた、残念ながら例外ではありません」と、まだまだ女性にとって生き難い時代だと話し、大きな話題を呼んだ。
上野教授、こうした若い女性たちがこれからの未来を切り拓いていくのだから、そんなに心配しなくても大丈夫だと思う。心配なのはふがいない男たちのほうだ。(文中一部敬称略)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『編集者の教室』(徳間書店)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。