アイドルを夢見る女の子を、男たちに触れさせる商法

「会いに行けるアイドル」をうたい文句に、手の届かない存在ではなくなった彼女たちを、自分の彼女にしようという不逞の輩が出てくるのは必然だった。

そのため、彼女たちを預かっている大人たちには、彼女たちのプライバシー保護や身辺の警護、多感な年頃の心のケアなどに十分配慮することが求められていたはずである。

アイドルを夢見る若い女の子たちを集め、カネさえ払えば彼女たちと握手できる、触れられると、男たちを集める商法は、キャバクラやガールズバーと変わるところがない。

東京スポーツ(4月24日付)は、このアイドルハンターたちが、「山口らが卒業発表したことで、ハンター集団が"勝利宣言"して大騒ぎ。(中略)素性が判明している数人の悪質ファンはグループから出入り禁止処分になっていますが、出禁になっていない者も多い。さらに、顔バレしていない者を募集して、"刺客"として新潟に送り込もうと盛り上がっている」(ハンター集団に詳しい関係者)と報じている。

「AKB商法」を生み出した秋元康は、なぜ発言しないのか

こうしたさまざまな問題が噴き出ているのに、AKB商法を生み出し、大儲けしてきた秋元康が、表立って発言しないのはなぜなのか。

さらにいえば、AKB人気に便乗して、メンバーの写真集を何冊も出したり、総選挙などというバカ騒ぎをあおって、この商法の根にある深刻な問題を報道してこなかった週刊誌やテレビ、新聞の責任も追及されなくてはいけないはずだ。

タレントのスキャンダルを売り物の柱にするフライデーやFLASHは、AKB48のスキャンダルを進んで自ら封印して、彼女たちをグラビアに出し、写真集を何冊も出版して儲けることを最優先した。FLASHの編集長が、「オレの仕事はAKBだ」と豪語していると聞いたこともある。

講談社や小学館のように、女性誌や少年少女雑誌を多く出している出版社の週刊誌は、元々ジャニーズ事務所のタレントのスキャンダルはやりにくかった。だが、それでも、何とか工夫してSMAPや嵐の熱愛、密会などをスクープしてきた。

部数が低迷してきたことが背景にあるのだろうが、見事なぐらい、先の2誌に週刊現代(講談社)、週刊ポスト(小学館)にAKB48のスキャンダルは載らなかった。