「私はアイドル、そしてこのグループが大好きでした」

「ここには私がアイドルできる居場所がない」

新潟を中心に活動しているNGT48の山口真帆(23)が、4月21日、新潟市で開かれたNGT48劇場の公演の舞台でこう話し、「NGT48から卒業」することを宣言した。

昨年12月、アイドルハンターといわれる不良たちに待ち伏せされ、帰宅直後に襲われた被害者である山口が、なぜ、NGT48から追われるように退団しなくてはいけないのか。

1月14日、AKB48グループの成人式に出席した「NGT48」の(左から)中村歩加、荻野由佳、加藤美南。このイベントは1月10日に山口真帆さんがNGT48劇場で謝罪させられた直後のことだった。(撮影=時事通信フォト)

誰が考えても理不尽なこの結末に、ファンばかりではなく、各方面から憤りの声が上がっている。山口の言葉を続けよう。

「私はアイドル、そしてこのグループが大好きでした。だからこそ、このグループに変わってほしかったし、自分がつらかったからこそ、大切な仲間たちに、同じ思いをして欲しくないと、すべてを捨てる覚悟で取った行動でした。
事件のことを発信した際、社長には不起訴になったイコール、事件じゃないことだと言われ、そして今は会社を攻撃する加害者だとまで言われていますが、ただ、メンバーを守りたい、まじめに活動したい、健全なアイドル活動ができる場所であって欲しかっただけで。何をしても不問なこのグループに、もうここには、私がアイドルをできる居場所はなくなってしまいました。
目をそらしてはいけない問題に対して、そらさないなら辞めろ、新生NGT48は始められないというのが、このグループの答えでした。だけど、この環境を変えなければ、同じ事が繰り返されると思い、今日までずっと耐えて、最善を尽くしましたが、私にできたことはほんのわずかなことでした」

朝日新聞デジタル<「ここにはアイドルをできる居場所ない」NGT山口さん>2019年4月21日21時56分

そして山口は、「NGT48のために自分ができることは卒業しかない」というのだ。

「正しいことが報われない世の中でも、正しいことをしている人が損をしてしまう世の中ではあってはいけないと、私は思います」

5月5日と6日が最後の「握手会」になるが、そこでは握手をせず、話だけをするそうだ。

山口の批判の矛先は、アイドルハンターたちに帰宅時間などを教えたメンバーだけではなく、こうした事件が起きてしまったのに、何ら有効な手を打たず責任も取らない運営会社AKSと、こうした危ういAKB商法の生みの親であり、NGT48のプロデューサーでもある秋元康に向けられていると、私は思う。