「娘をいつまで守り続けられるのでしょうか」

3年前から一人暮らしをする長女への仕送り額は、家賃込みで月20万円。母子の仲は良く、娘が仕送りの増額を希望すると、何の反対もせず振り込んできたそうです。

「娘は高校生のときに、陰湿ないじめに遭いました。それ以降、自宅を出ることができなくなったんです。自分以外の人と話すのも難しくなりました。でも、実家を離れて一人暮らしをするようになり、買い物などに出かけられるようになりました。1時間位までなら他人と話せるようになりましたし、電車や街中などの人混みに出られるようにもなりました。それがうれしくて、つい『私が出してあげる』と、資金援助をしてしまっていたのです」

「娘への仕送り額は年300万円を超えています。しかし、これ以上息子と関わり合いたくありません。1年後、年金の支給が始まる65歳の誕生日を節目に医師を引退し、病院経営権を息子に無償で譲り、その代わり、自宅を売却する予定です。娘が暮らす街にある感じのいい老人ホームがあるので、そこに入所しようかと思っています。この人生を歩んだ場合、娘をどこまで支えられるのかを知りたくてご相談に来ました」

自宅を売却して、老人ホーム入所の費用に充てるプラン

山内さんの希望は次の通りでした。

資産状況とホームに入所した場合の想定生活費は図表2・3の通りです。