しかし岡さんは「ボクシングの試合」や「演劇」など他のレジャーと比べてみると、「そんなに非常識な金額ではない」と考えているそうです。熟練の職人の華麗な手仕事の「舞台」を見ることができるお寿司屋さん。しかも食事もついてくる。「寿司はエンターテインメントだ」と岡さんはいつも語っています。

いまの寿司職人は30~40代の新しい世代が活躍しているため、岡さんと同じ年代の人が包丁1本で、海外のお客さんにも通じる寿司を握っている姿は刺激になるそうです。

魚を切ったり、ネタを出したりするちょっとした姿を見ているのも楽しい。自分が好きなものがハッキリしていて、そこにお金をかけることで深い洞察が生まれていました。

何にお金を使っているか、を聞くと人の本質が見えてくるのです。

キラークエスチョンを自分にも問いかけてみる

相手の声に応え、好きな人に振り向いてもらうのも大切ですが、逆に自分自身も相手から気になってもらわないといけません。

そんなときは、先ほどの「キラークエスチョン」が役立ちます。それを自分に向けて問いかけてみて、人間的な魅力をあげるのです。今の自分の仕事はAIでどう変わるのか、1万円があったとしたら何に使うのか。

先日、普段読まないような近代アートの高価な本を私も買ってみました。無駄使いにも思えたのですが、瞬間的に読むTwitterと違って、ページをめくりながら何度も思考を重ねていく時間が久しぶりに作れました。

数千円の高級オリーブオイルを買ってみたこともあります。ゆでたブロッコリーに塩といっしょにかけたらとてもおいしくて、オリーブオイルにもこれだけの違いがあることに驚きました。

一見くだらないことですが、こうしたちょっとした「変化」を日常的に起こして、その背景を考え続けていると、仕事の雑談や食事中のトークも魅力的になります。相手から興味を持ってもらえることも増えるし、仕事のアドバイスをくれることもあるかもしれません。そして、できれば好きな相手と一緒に仕事をしてみるのがおすすめです。