あらゆるツールを使って発信し、届ける

自分を好きになってもらうもう一つのポイントは「発信し続けること」です。

今だと、SNSやnoteで自分の考えを発信する手段はいくらでもあります。日常のふとした気づき、仕事で得たノウハウ、そんなことを文章にしたためて発信を続けてください。発信はテキストベースだけではありません。動画や音声、あるいはイラスト、マンガにしてもいいと思います。

また、週末や休みの日は積極的に趣味のイベントに参加するのもおすすめです。

そこで自分の名前を名乗ったうえで、質問をすると、会場にいる誰かに必ず覚えてもらえます。

私の知り合いの新聞社の先輩は、毎日、自社の新聞を読んで、気に入った記事を書いた人のメールアドレスを社内のイントラネットで検索し、突然連絡をして、お茶に誘い続けたそうです。社内に仲間ができて、自分が好かれるきっかけになったといいます。

日々の生活にない「違和感」が面白さにつながる

何より効果的なのは自分自身が面白いことをし続けることです。高校時代は面白かった人も、久しぶりの同窓会であった瞬間に「あれ? 面白くないな」と感じることがあります。

人間、どれだけ魅力的な才能を持っていても、面白いことをやり続けないと本能は磨かれず、やがて周囲に飽きられてしまうものです。

だから、とにかく面白いことをやる。

竹下 隆一郎『内向的な人のための スタンフォード流 ピンポイント人脈術』(ハフポストブックス)

私にとって「面白いこと」の定義は、「違和感を生み出すもの」です。

圧倒的喜びでも、怒りでも、不安でも、あるいは言葉を選ばずにいうと「不快感」かもしれません。何か普段と違う、自分の生活の延長線上にないな、と相手に思わせると、「面白い人だな」と感じてもらえます。

先ほどの寿司好きの放送作家、岡さんは、寿司職人3人を新宿の施設に呼び、寿司について話し合うイベントをプライベートで開催しました。

一般的に、イベントといえば、起業家やタレントが登壇するもので、職人が出るのはめずらしい。私も参加しました。寡黙な職人さんたちなので、テレビで見るような丁々発止のやり取りがあったイベントというわけではなかったのですが、包丁を片手に寿司論を語る姿は「違和感=おもしろさ」を感じさせる空間でした。

「違和感」を与えられる人ほど他人の心の中に良い意味での引っかかりを生み出す力があるのです。

竹下 隆一郎(たけした・りゅういちろう)
ハフポスト日本版編集長
1979年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。2002年朝日新聞社入社。経済部記者や新規事業開発を担う「メディアラボ」を経て、2014~2015年スタンフォード大学客員研究員。2016年5月から現職。近著は『内向的な人のためのスタンフォード流ピンポイント人脈術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
(写真=iStock.com)
【関連記事】
どんな相手とも10分雑談できる達人ワザ
40代の“痛い人”は誰も指摘してくれない
芸人ヒロシ"好きなことを仕事にする方法"
40歳から親友を作ろうとする人はイタい
文章が読めない「新聞読まない人」の末路