シェアがインフラになれるかどうかの分岐点
これらの法律の制定や改正には、年単位の月日がかかっています。問題は、企業がサービスの提供者であり、個人が享受者であるという枠組みの延長線上でしか考えられていないことと、既存の法律の手直しでしか対応できていないことです。これだけ多種多様なサービスが勃興している中で、それぞれに法律をつくるのでは数十年あっても足りません。
では、どうするか?シェアを新しいサービス分野と位置付けて「シェアリング基本法」のような大枠の法律をまずつくり、そのうえで個別のルールを整備していくというアプローチが考えられます。
20年はオリンピックが開催され、多くの産業分野で需給の均衡が一時的に崩れます。こうしたタイミングは変革のチャンス。シェアリングが単なる新産業ではなく「インフラ」になれるかどうかの分かれ目だと思っています。
シェアリングエコノミー協会事務局長
内閣官房シェアリングエコノミー伝道師。イノベーションの社会実装のため規制緩和や政策推進に従事。近著に『シェアライフ 新しい社会の新しい生き方』(クロスメディア・パブリッシング)がある。