マックは現在業績好調ですが、NPSの数字は高いとはいえません。これは顧客の店に対するロイヤルティーが低いことを意味しており、長期的に見れば危うい状況だといえます。ほかに行きたい店がでてくれば、すぐに移ってしまうファンではない顧客が売上の基盤をつくっているからです。

たとえば、再度、異物混入のような問題が起きれば、客足がぱったり途絶えてしまうかもしれません。その意味から、マックが今後も好業績を続けていくためには、「食の安全」について積極的にコミュニケーションを図ったり、商品やサービスの品質をより高めていったり、抜本的なサービス改善を図り、真のファンをつくっていく必要があるのではないかと考えられます。

モスは「価格のわりに商品のサイズが小さい」の声

モスバーガーのNPSはマイナス27%でした。日本の外食産業は平均でマイナス40%、今回調査ではマクドナルドはマイナス54.4%だったので、それらに比べると高い数値です。

詳細を見ていくと、「料理の味」に関してはNPSの押し上げ要因となっています。多くの顧客はおいしいハンバーガーを求めて、あえてモスに来店していると捉えていいでしょう。それに対して、モスも期待にしっかりと応えているため、リピーター獲得につながっているようです。

ただ、コスパーフォーマンスについては、不満を感じている人が多いようです。自由回答では「マクドナルドと比べると高く感じる」「価格のわりに商品のサイズが小さい」とありました。モスは価格が「他人にすすめたくない理由」になってしまっています。マックの価格がクーポン施策などで一定の評価を得ていたのとは対照的です。

その意味では、モスはコストパフォーマンスの感じさせ方について、まだ改善の余地があるといえます。たとえば「価格の見せ方」の工夫が考えられるでしょう。