高感度な人は3年ごとに「最新の安全装備」を使いたい

いま消費者の関心は安全、安心に移っています。自動運転に向けた技術開発が進展しています。高感度な人たちは常に最新の安全装備を備えたいと考えるようになっています。3年たったら新しく登場した安全装置を使いたい、というニーズをかなえるには「所有」ではなく「使用」しやすい仕組みが必要になっているのです。

――「SELEKT」という中古車販売にも力を入れていますね。

【木村】日本で輸入車を扱っている会社にとっては特別な意味があります。日本の消費者はいったん輸入車を購入するとその後に日本車に戻ることはほとんどありません。とにかく一度輸入車に乗っていただくということが大切なのです。

ディーラーが中古車販売にも力を入れていると、新車は高くて今は手が出せないお客さまにも、正規ディーラーが品質を保証している「SELEKT」の中古車をお勧めすることができます。ボルボのファンになっていただければ、中古の次には新車を買っていただけるかもしれません。自動車ローンを組む場合もボルボの場合は新車も中古車も同一条件で対応いたします。

SMAVOもそうですが、お客さまにいろいろな選択肢を提供し、まずはボルボに乗ってもらうことが重要なのです。そうするとお客さまを逃がしてしまう機会損失を減らせます。だからこそ豊富な商品知識を持った販売員がお客さまに対応し、CSを高めていくことを最優先で目指しているのです。(後編に続く)

木村 隆之(きむら・たかゆき)
ボルボ・カー・ジャパン 社長
1965年生まれ。87年大阪大学工学部卒業、トヨタ自動車入社。海外の商品企画を担当し、2003年米ノースカロライナ大学でMBA(経営学修士)取得。レクサス国内営業部を最後に2008年退社し、ファーストリテイリング入社。09年インドネシア日産自動車社長に転じ、12年からアジア・パシフィック日産自動車社長兼タイ日産自動車社長。14年7月からボルボ・カー・ジャパン社長。
(聞き手・構成=安井孝之 撮影=プレジデントオンライン編集部)
関連記事
トヨタがわざとガタガタの車を作った理由
「安いレクサス」を誰も欲しがらない理由
なぜレクサスの営業は全員感じがいいのか
"事実上の注文生産"トラック造りの舞台裏
セブンが勝てない「最強コンビニ」の秘密