最も大事なことの1つは買い物データを得ること
そして高岡氏は企業のマーケティングについて「私たちにとって最も大事なことの1つは買い物データを得ることです」という認識を示した。
「20世紀、われわれは小売業者のPOSシステムなどから得られるデータのみを入手していました。しかし、日本では、多くの小売店が買い物データを開示していませんでした。食料雑貨小売店の統合が進んでおらず、現在でも400以上の地域的な小売業者が存在します。米国やヨーロッパの先進国市場と比較して、製造業と小売りの間における買い物データの共有という点で、日本は大きく遅れています」
しかし、eコマースでは買い物客と直接つながることができる。そのデータから買い物客を深く理解することができるようになっている。
「21世紀は産業カテゴリーが変化している時代です。つまり、製造業は単なる製造業者でなく、例えば自社ブランドのドットコムで直販をすることも可能です。小売業サイドにおいても、最も力のある小売業者は、基本的に上流産業から出てきている。
代表的なのが、ユニクロのように、自身で製造を行い自身で販売もする『製造小売り』。顧客情報をじかに得て、すぐさま自分たちの製品に反映させることができる業態です。この業態が力を持ち、産業の主流となるという潮流は止まることはないでしょう。デジタルの世界では容易に個々の買い物客にアクセスできるようにしていく必要があるのです」(高岡氏)