緊張は「生まれつき備わった才能」
つまり「緊張する」のは、「人間が生き残るために戦闘態勢に入った」ということ。私たちが緊張すると手が冷たくなり落ち着きがなくなるのは、DNAに組み込まれた緊張のメカニズムが作動したためなのです。緊張とは、生きるか死ぬかのギリギリのところで、能力以上のものを引き出そうとする、人間に生まれつき備わった力、才能なのです。
このように緊張は、私たちの身体に備わった大切な機能です。
普段の私たちは、能力を限界まで出さないように、脳が無意識にリミッターをかけています。常に能力を限界まで出すと、身体が酷使されてしまい壊れてしまうからです。しかしアドレナリンは、このリミッターを外す役割を持っています。つまり緊張をうまく使えば、リミッターを外し、私たちの潜在能力を目いっぱい使うことによって、大きな力を発揮できるようになるのです。
私が緊張しないときにうまくいかなかったのは、緊張で能力を引き出す仕組みが動かなかったからだったのだ、というのは実に大きな発見でした。この経験で確信しました。
緊張はもともと人間に備わった力。
緊張を活かせば、自分の能力をさらに引き出せるはずだ。
緊張を活かしたら人生が好転した
このときから私は、緊張を活かすことを考え始めました。緊張を活かす方法を見つけるまでは、トライアンドエラーの連続でした。たくさん恥もかきました。でも、試行錯誤の末、緊張に対応するためには緊張を活かす方法があることが分かり、人生が好転し始めたのです。
緊張を活かす方法には二つあります。
一つ目は、「緊張を認める」。
二つ目は、「緊張を取扱説明書通りに扱う」です。
難しいことは一切ありません。誰でもできることです。
「まずは認める」。緊張を認めない人は、緊張を活かすことはできません。緊張を素直に認めることです。