深野の答え:生活を変える覚悟があれば、不安を感じることはない
健康を保つことは貯金をしているのと同じ
現時点で「貯金が少なくて不安」でも、生活の仕方やお金の使い方をリセットできるなら、大丈夫です。まずは、月々の支出を再検討し、「貯金をつくる仕組み」を整えましょう。
そもそもお金というものは、あったらあったで、なかったらなかったで、なんとかなるものです。老後の貯蓄として足りないならば、定年後も働けばいいだけのこと。それはそれで大変な決断でしょうが、今から不安を抱えて悶々とするのは、決して賢い態度とはいえません。ただし、健康には留意してください。体は「人的資本」そのものです。資本がなければ前提が崩れてしまうので、健康な生活を維持することは、貯金をするのと同義のものだと考えてください。
子供の進学、結婚、住宅ローンの返済などを何歳までに終えるかによってプランは変わってきますが、50歳から10年間、毎年100万円を貯めることができれば、1000万円以上の貯金ができます。この話をすると、「たかが年に100万円」なんて焼け石に水、という人がいますが、そういう人はいつまで経っても老後資金は貯まりません。
貯金のタブーは一攫千金、一発逆転
貯金を形成するにあたって最もタブーとなるのは、一攫千金、一発逆転の発想を持つこと。これは絶対に成功しないやり方です。
日本マクドナルドの初代社長である故・藤田田氏は、その晩年に「人生で一番成功したことのひとつは、積み立て貯蓄だった」といったそうです。コツコツ貯めること。これに勝る資産形成の手段はないということです。
長らく続いている低金利の時代では、運用益をあてにした資産形成はなかなかうまくいきません。それでも原資をつくること、つまりコツコツお金を貯めることはできるのです。
この「コツコツ」を成功させる最大の要因は、どんなときでも継続するという強い意志です。「余ったら」貯蓄するという考えでは、いつまで経っても貯まりません。ですから、収入がいくらであろうと、「最初に貯蓄分を除いて」残りを生活費にする、という原則を徹底することが肝心です。