「そこでテキストとしてお勧めしたいのは、『NHK基礎英語』シリーズ。これは『基礎英語1』が中1レベル、『基礎英語2』が中2レベル、『基礎英語3』が中3レベルと、段階を追って学習できるので、きちんとこなせば効率的に中学英語をマスターできます。このほかにも、高校受験向けに、中学3年間の英語を1冊にまとめたテキストが多数存在しますから、自分に合いそうなものを探してみるといいのではないでしょうか」

写真=iStock.com/Tero Vesalainen

なお、「NHK基礎英語」シリーズはリスニング学習にもうってつけで、音声をインターネットで聴きながら学ぶことができる。TOEICはリスニング重視のテストであるため、対策としても有効だと、神崎氏は太鼓判を押す。

「単語を覚える際にしても、日本人はスペルと意味を必死に覚えようとしがちですが、それだけで終わっては意味がありません。音を聴きながら意味を確認し、声に出して覚えるのが理想的。知らない単語をいくら耳で聴いても、聞き流してしまうだけでなかなか覚えられませんからね」

英語を好きになるために

しかし、300点台のレベルの人にとっては、モチベーションの壁というのも大きいかもしれない。TOEICのような難しい問題が、果たして解けるようになるのか。苦手意識が勝り、なかなか学習意欲が湧かない人も多いだろう。まずは意欲的に英語と向き合うための材料を探す必要がありそうだ。

「趣味でも何でも、興味のある分野から入ることができれば、それがベストです。例えばスポーツが好きな人であれば、YouTubeで英語圏の動画を積極的に視聴してみるのもいいでしょう」

現時点で300点台であるなら、見方を変えれば、大きな伸びしろを残しているとも言える。実際、このレベルはきっかけひとつでグンと伸びることがあると、神崎氏は明言するのだ。

「全力を尽くして300点という人もいるかもしれませんが、たいていはモチベーションに欠けていたり、やり方が間違っていたりする。これまで真面目に学習してこなかった人であれば、少し頑張って基礎英語を身につければ、すぐに500点くらいまで伸ばせます。TOEICの問題を解く練習をするのは、その後でいいでしょう」