「おごった食事の分だけ仕事で返せ」「食うだけじゃなく、少しは面白い話をしろ!」などと、上司が内心では言っているような、プレッシャーを感じてはいませんか。食事の際、そのように上司の顔色を窺うばかりでは、その食事はまずく感じて当然です。料理の味よりも上司の様子ばかりが頭の中を駆け巡っているのでしょう。

そのような状態では味覚も散漫になり、正しく味を感じることができません。結局、味とは、舌が発端ではあるものの、最後には頭の中の脳で感じるもの。頭が他のことでいっぱいであれば、料理の味を楽しむ余地などありません。

「気まずさ」よりも先に「美味しさ」を感じる

では、そんな気まずい上司との食事でも美味しさを感じられる方法をご紹介します。まずは、ガムや飴玉、スルメなど、味が長く持続するものを口に入れます。その状態で電車の中や街中を歩く人々をじっと見てみましょう。自分の意識に集中できれば、美味しさを感じられるはずです。他人のいる空間で、美味しさに集中する練習です。

この問題において重要なのは、上司に対する「気まずさ」よりも先に「美味しさ」を感じること。「美味しさ」は、リラックス効果を持ち、上司に対する緊張を緩和してくれます。つまりひとたび「美味しさ」を感じてしまえば、それはさらなる「美味しさ」を呼び、食事中ずっと持続させることも不可能ではありません。

「上司に失礼があってはいけない」「会話を盛り上げないと」等の思考に囚われる前に、まず「美味しさ」を感じることから始めましょう。リラックスした気持ちを維持できれば、気まずい上司との食事も楽しむことができます。

石原 加受子
心理カウンセラー
心理相談研究所オールイズワン代表。『「とにかく優位に立ちたい人」を軽くかわすコツ』など著書多数。
(文=プレジデント編集部 写真=iStock.com)
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