(3)外部の視点を求める

自分の部門の外からであれ、会社の外からであれ、異なる視点を持つ人々の考え方やアイデアを虚心坦懐に聞くことも、経営陣のバイアスを中和する効果的な方法だ。否定的なフィードバックを無視する傾向や深く考えずに即断する傾向などのバイアスは、とりわけ経営陣の入れ替えが少ない場合には、時間とともに強くなる。だから、新鮮な外部の意見をもらうことは組織のあらゆるレベルで大切なことだと、シミズとヒットは述べている。それを実現するためには、次のような方法が考えられる。

●定期的に社外取締役を任命する
●経営トップの任期に上限を設ける
●マネジャーを定期的に配置転換する
●他企業との提携を利用する
●特別諮問グループを置く

シミズとヒットは、自分たちの提案にはいくつかの短所とリスクがあることを認めている。

たとえば、新しい幹部やマネジャーは、単に自分が責任者であることを示したいがために、現在うまくいっている戦略に手を加えるかもしれない。新しい仕事についたら誰でも学習にある程度の時間がかかることも、考慮すべき要因にちがいない。

オフィス・デポの会長兼CEO、スティーブ・オドランドは警告する。「あなたの会社をよく理解していない人たちは、会社を脱線させて、そのブランド提案を破壊することがある。戦略的一貫性が損なわれたら、消費者を混乱させ、ひいては株主価値を損なうおそれがある。だから、バランスを保つことがきわめて大切だ」。