大和ハウス工業・大野直竹 社長の答え
そんなにすぐに、成果は出せない。落ち込む暇があればとにかく動く

四季報を開いて地道に新規開拓

新入社員で配属された静岡支店の1年目、私が受注できたのは物置十数棟だけ。他の支店に行った同期のなかには住宅を何棟か受注した人も結構いて、私の5倍も10倍も数字を挙げていた記憶がありますね。

私の場合、仕事の約束を果たせないどころか、入社してからしばらくは赤字続きでした。新入社員のときはよくわからなかったんですけど、万年赤字の営業所でお客様が全然いなかったんです。昔からのお客様の引き継ぎというのがまったくない。大きい会社も小さい会社もすべて新規開拓するしかなかった。会社から四季報を1冊もらって、静岡にある会社を一生懸命探しては自分で考えてアプローチしていく。後にも先にも一から新規開拓したのはそのときだけかもしれませんね。

約束した数字が出せるようになったのは3年目くらいから。体当たりで飛び込んだところからポツポツと仕事がくるようになりました。比較的大きな会社を片っ端から攻めていたのが徐々に実を結んで、新規の取引先を獲得していく手応えを肌で感じることができた。そのときの経験は私個人の財産になったし、会社の財産にもなったと思います。

今思えば大変だったかもしれませんが、そのときは、とにかくがむしゃらにやっていました。不安を感じたり落ち込んだりする暇はなかったですね。


鈴木 喬
エステー会長
一橋大学卒業後、日本生命入社。エステーに出向し、1998年社長。「消臭力」などヒットを連発。
 


大野直竹
大和ハウス工業社長
慶應義塾大学卒業。入社以来、一貫して営業畑。副社長、営業本部長などを経て現職。
 


七五三木敏幸
ポルシェジャパン社長
一橋大学卒業。群馬銀行、メルセデス・ベンツ日本、クライスラー日本などを経て現職。
 
(写真=iStock.com)
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