暑いほうが日本勢には有利だったケースもある
振り返ってみれば、1991年に東京で行われた世界陸上もとても暑かった。9月1日の男子マラソンは午前6時にスタートした。気温26度、湿度73%という高温多湿のため、スローペースになったが、途中棄権が続出。最後は谷口浩美がスパートして、日本人初の金メダルを獲得した。ゴール時には気温が30度を超えており、参加60人中24人が途中棄権する過酷なレースになった。これは日本勢にとって「暑さ」が有利に働いた例だろう。
暑さはアスリートのパフォーマンスを低下させるが、地元・日本勢にとっては“地の利”を生かすチャンス。日本特有の暑さをいかに味方にできるのか。ホームである日本勢が万全な「暑さ対策」をすることが、東京五輪で“勝つ”ための最大の武器になるのは確かだ。
サマータイム導入は吉とでるか凶と出るか。日本の獲得メダル数に大きな影響を与えることは必至である。