衆院選があれば「年間グランドスラム」

来年は4月には統一地方選があり、全国で首長選、地方議会議員選が行われる。7月には参院選が行われる。統一地方選と参院選が同じ年に行われるだけでも12年に1回しかないのだが、そこに日本では初めて改憲の国民投票まで行われることになれば、過去に例をみない投票イヤーとなる。

国民投票は統一地方選と参院選の間の5、6月ごろ行われるのか。7月の参院選の後に行われるのか。それとも参院選と同日なのか。どちらにしても、いつも選挙が行われているような1年となることに変わりない。

もうひとつ忘れてはいけない選挙がある。衆院選だ。安倍氏は2012年暮れに首相に返り咲いた後、14年、17年と任期満了まで余裕を残し、比較的早い時期に衆院解散して自民党を勝利に導いてきた。安倍氏の今までの行動実績からすると19年は、衆院解散があってもおかしくない。

安倍氏に近い永田町関係者は、こうつぶやく。

「安倍氏は衆参同日選を狙ってくるのではないか。衆参両院の3分の2を改憲勢力が同時に確保し、一気に改憲に突っ走るだろう」

「衆院解散が頭をよぎったことは否定しない」

改憲を発議するには衆参両院で3分の2の賛成が必要だ。今は改憲勢力が両院で3分の2を維持するが、来年の参院選では、それを割り込む可能性がある。それならば衆院と同日選にして一気に決着をつけようという発想だ。

荒っぽいと言えば荒っぽい。しかし、いかにも安倍氏が考えそうなことでもある。安倍氏は16年の参院の際にも衆参同日選を画策したが熊本地震の復旧を優先させて解散を断念した。安倍氏は後日「衆院解散(による同日選)が頭をよぎったことは否定しない」と認めている。もう一度、頭をよぎっても不思議ではない。

そうしたら、1年間に統一地方選、参院選、衆院選、そして国民投票が連なる「年間グランドスラム」になることもあり得る。