――助成金の原資は何なのでしょうか?

全国日蓮宗の寺院が、毎年宗務院(大田区池上)に、宗派を運営するための宗費(資金)を納めます。そこからさまざまな目的で資金が拠出され、国内開教師への助成金もその1つです。

――お寺を建立するにあたって、費用はすべて事前に用意したのですか。

いえ、用意があったのは、土地の購入資金だけですね。越谷市に開教してから2年半かけて貯めたお金に、私がお坊さんになってから貯めていたわずかなお金を足して、まず土地を買いました。その後、その土地を担保に融資を受け、本堂を建てる算段をしていました。

源妙寺外観(写真提供=源妙寺)

本堂建立のためのローンは銀行20行に断られた

――ローンを組んだのですね。融資審査はどうでしたか。

まったくと言っていいほど通らず、20行くらい銀行を回って、すべて断られました。土地を買った時点で、手元にはほとんどお金が残っていなかったので焦りましたね。信用情報をすべて開示して、結果はクリーンだったのですが、保証会社が貸さない、と。理由は、宗教者であると同時に個人事業主の扱いである私に実績がなかったからです。開教して3年未満でしたからね。

――結局、どのように工面したんですか。

一時はプレハブ小屋を建てて、そこに住みながらお寺をやるしかないと考えもしました。ところが、地鎮祭をした翌日の朝に、4カ月前に申請を出していた埼玉の信用金庫から「ローンが通った」との連絡がありました。まさにプレハブ業者の書類にハンコを押す直前の出来事でした。事業ローンであること、上限が2000万円であることが条件でしたが、もちろん快諾しました。さらに、日蓮宗から融資を受けられる制度もあったので、それを利用しつつ、残りはお寺で貯めた建立資金で賄った形です。今年5月末に無事完成しました。広さは50坪ほどです。

――いかにも「お寺」といった雰囲気ではなく、一軒家のような建物なんですね。では今後は、布教をしながらローンを返済していくんですね。

はい。将来的には宗教法人格を取得したいのですが、礼拝施設の土地や建物が個人財産になっていないことが条件の一つなので、ローンの返済中は取得できないのです。先は長いですが、がんばっていきます。