ポーランドを封じるにはコロンビアの守備戦術が参考に

そこで、勝負のポーランド戦である。

どんなに良い試合をしても、肝心の決め手を欠けば、勝ち点は奪えない。今大会でも決め手に苦しみ、敗退を強いられた国は少なくないのだ。幸い、ここまでの日本は「内容と結果」がかみ合うだけの決め手に恵まれている。

いや、内容が悪くても、結果がついてくるのは列強くらいのものだろう。日本は良い内容でゲームを進めてきたからこそ、漏れなく勝ち点がついてきたと言ってもいい。その意味で日本のやるべきことは同じだろう。

ただ、これまでと違っているのはポーランドのシステムだ。本来は4-2-3-1(または4-4-2)がベースだが、セネガル戦の後半とコロンビアとの第2戦では、3バック(3-4-2-1)で戦っている。

もちろん、それで結果が出なかったのだから4バックに戻す可能性もあるが、仮に3バックで臨んでくるなら、各選手の位置取りに微調整を施す必要がありそうだ。日本と同じ4バック(4-2-3-1)で戦うコロンビアは、守備の局面でブロック全体を反時計回りに動かしながら、うまく対応している。

「後ろのスクエア」は守りの要にして攻めの起点

コロンビアが採った算段は、右翼のクアドラードを後ろに下げ、4バックを全体的に左へずらしながら、相手のマークをつかみ損ねるリスクを最小化することだった。日本も走力にすぐれ、守備も強い右翼の原口元気にクアドラードと同じ役回りを担わせれば、十分に対応できる。このあたりは分析チームの「情報」に基づいて、最適解を導き出すはずだ。

もちろん、戦い方のベースを変える必要はない。ミドルゾーンのライン設定、コンパクトなブロック、素早い攻守の切り替え、前線からの連動したプレス、ボールを奪ってからの速攻、それが難しい場合の遅攻――これらをクールに実践すれば、勝機は十分だ。

そこで、カギを握るのが「後ろのスクエア」だろう。吉田と昌子、長谷部と柴崎の両ペアである。何しろ、守りの要にして、攻めの起点なのだ。ここまでの2試合を振り返っても、見事な働きと言っていい。安定したポゼッションはもとより、ディフェンス面の充実ぶり、安定感は目覚ましいばかりだ。

守りに回った局面で人を捕まえるのが早く、球際で激しくファイトし、相手に自由を与えない。アタック陣のハードワークとボールロストの減少もあって、後ろの選手が狙いを絞りやすくなった面も確かにあるだろう。