森友・加計問題を覆い隠すために解散・総選挙に打って出た

【塩田】現在の安倍晋三首相の政治をどう見ていますか。

【馬淵】財務省の決裁文書の改ざん、佐川宣寿前理財局長、柳瀬唯夫元首相秘書官の国会答弁も含め、昨年1年間の国会は何だったのかという話ですね。虚偽答弁で、かつ虚偽の決裁文書を含む虚偽の証拠に基づいた議論を重ねてきたわけでしょ。揚げ句の果てに、森友・加計問題を覆い隠すために「国難」と言って衆議院の解散を打った。フェイク国会のフェイク選挙ですね。即、総辞職と思います。おごり高ぶっている姿が見えますね。有権者はみんな批判していますよ。自民党支持者だって、安倍首相はもうダメだ、と。

麻生太郎財務相は行政のトップとして当然、責任を取らなければいけない。行政のコンプライアンス(法規遵守問題)がこれほど政府のマネジメントを揺るがせた政権はかつてなかったのでは。かつて私は民主党政権で国交相のとき、尖閣問題でのビデオ流出の事案で責任を問われた。末端の職員の機密情報漏洩でしたが、それでも問責決議を受けて、「国会で決まった以上、責任はある」と言って、一言も文句を言わずに次の内閣改造で大臣を降りた。それと比べたら、麻生財務相の責任はとてつもなく大きい。

【塩田】もし馬淵さんが国会にいて野党側の責任者だったら、ここでどう動きますか。

【馬淵】審議拒否ではなく、野党6党の選挙に向けた共同戦線を構築する。緩やかな連携でいい。共産党も巻き込めばいい。連合はハレーションを起こすかもしれないけど、政権を取るという一点で説得するしかない。

【塩田】わずか半年前に終わったばかりですが、解散・総選挙になると思いますか。

【馬淵】今はもうないですね。来年10月に消費税増税が予定されていますから、ぎりぎりのタイミングは今国会の会期末の6月20日前後か、7~8月だったけど、やらなくていいと思ったら、安倍さんはもうやらない。今夏の可能性はゼロではないとは見ていますが、多分、ないという感じです。もう一つは、来年夏の参院選との衆参ダブル選挙ですが、それもなければ、次の総選挙は東京オリンピックの後ですね。

【塩田】参議院は今、与党が過半数を29議席、上回っています。次期参院選の与党の改選議席は77ですから、与党の当選者を30減の47以下に押さえ込めば、「衆参ねじれ」が起こります。来年7月の参院選への野党の取り組みは。

【馬淵】立憲民主党は定数2以上の選挙区に全部、候補を立てると言っている。このまま行けば、野党同士でつぶし合いになる可能性も否定できない。一方、自民党は参議院で厳しい状況とみれば、安倍さんは衆参ダブル選挙を打ってくるかもしれない。いずれにせよ、参院選までは神経戦が続きます。

【塩田】次期参院選が衆参ダブルではないとき、馬淵さんの参院選出馬は。

【馬淵】ないです。衆議院以外は考えていませんから。

【塩田】一丸の会のみなさんが今後、国民民主党に集団入党する可能性は。

【馬淵】ないです。参加者の個人の判断に任せているので。あくまでも、目的は、野党を大きな塊にすることです。

【塩田】立憲民主党との関係は。

【馬淵】すぐにでも来てほしいと言われましたが、まずは野党を一つにまとめるのが私たちの役割だと思っています。それを引き続き求める。でも、残念ですが、結局、次の総選挙は二つ割れたままでやらざるを得ないかもしれない。その場合も最低限、連立政権構想くらいは組み上げていくことになるでしょう。枝野さんは今、否定していますが、最後の最後、選挙が近づけば、起こり得ると思っています。