死後、ペットの世話してくれる人に遺産を渡す
愛するペットの先行きへの不安を解消するためには、どうすればいいのでしょうか。一番いいのは、ペット愛で心が通じ合った友人を持つことでしょう。「そんな事態になった時は自分が引き継いで愛情を持って飼う」と約束を交わすのです。ただし、そうした理想的な友人に恵まれるとは限りません。
本人がペットより先に亡くなった場合は、別の方法もあります。ペットの世話してくれる人に遺産を渡すのです。代表的な方法は「負担付遺贈」。遺言書に「この人にペットの世話をすることを条件に遺産を渡す」と書くのです。ただし、これは義務ではなく、その人が「この程度の金額では世話をしたくない」などと言い出せば目的を達することはできません。
▼ペットを愛するなら「万が一」を考えておく
もうひとつの方法は「負担付死贈与契約」です。元気なうちにペットの世話をしてくれそうな人を探し、遺産と引き換えに世話をしてもらう契約を交わしておくのです。契約ですから放棄されることはありません。
ただし注意点があります。上記ふたつの方法は、受贈者が親族でない場合、相続に絡んだトラブルとなる可能性があるのです。
トラブルを回避するには、ペットを信託財産のように扱う民間のサービスを使う方法があります。飼い主が死亡、もしくは病気・ケガになったときに備え、一定の財産を預けておき、自分に万が一のことが起きたときも新しい飼い主にその財産から飼育費が支払われる、といった仕組みです。また新しい飼い主とは別に、資金(飼育費)の管理やペットの様子を監視する人がいることもあり、ペットは無事生活できるのです。※編集部注:「ペット信託」についての説明に誤りがあったため、一部修正しました。(2018年1月29日追記)
「ペットを愛しているのなら、もしものことも考えておいてほしいですね」。ケアマネジャーのYさんはそう話していました。