意外と見られている「社内でのふるまい」

新たなルール化を希望する声もある。風邪などの体調不良の場合、「這ってでも来い」という企業も珍しくなかったが、いまは「周囲にうつす可能性を考えると、休むのがマナー」という声も増えている。同様に、台風や大雪などの荒天時には、なんとしても出社時刻に間に合わせるより、「業務に差し障りがない人は、時差通勤したほうが本当に急ぐ必要がある人に対する配慮になる」という声もある。こういった社会の意識の変化に対して、企業がルールとして明文化してくれれば働きやすさが増すのではないか、という期待が感じられる。

とはいえ、共通してあがったのは「社内でのふるまいは意外と見られている」ということ。社外には取り繕えていても、社内では脇が甘くなっていないだろうか。ルールの有無にかかわらず、わが身を省みたい。

▼席での飲食

自席での飲食は全面NG
取引先など、社外の人が多く出入りする職場でよく見られる“飲食禁止”。「あめはOK、ガムはNG」などの特例を設けて運用されるケースも目立つ。逆に、「自席での飲食はOK」としながら、「臭いがキツいもの、湯気が出るものはNG」というケースも。

▼喫煙

喫煙室の利用は1日3回、1回5分まで
その他、「午前10時以前、午後8時以降の喫煙室の利用は不可」というルールも。「出社後すぐの一服や、残業しているのに喫煙とはいかがなものか」という理由だとか。また、「喫煙後の臭い対策もルール化してほしい」との声も。喫煙者の肩身は狭くなる一方だ。

▼エレベーター

エレベーターのボタン操作は若手社員が行う
よく見られる光景だが、ルールが徹底されすぎて、「エレベーターに若手社員が複数乗り合わせると、ボタン押しの争奪戦になる」という企業も。また、「乗り降りは目上が先か、目下が先か」は、企業によって異なる場合が多い。自社、他社ルールの確認が必要だ。

▼携帯電話

会社貸与の携帯電話は退社時に返却
表向きは「退社後に、社員に仕事をさせないため」という“ホワイト”な理由によって制定されたルールだが、本当の理由は「社内恋愛で、会社貸与の携帯電話を使いまくっていたカップルがいたことが発覚。大問題になったから」だという。私的流用は禁物だ。

▼経費申請

経費申請は月に1回まで
こまめに早めに提出するのがよいと言われてきた経費申請だが、ここに来て一転、一括申請のお達しが。理由は業務効率化による経理スタッフの人件費カットのため。業務のアウトソーシング化が進むと、このようなルール化がますます進むかもしれない。

▼話を聴く

人の話を聴くときはメモとペン必携
当たり前のことのように聞こえるが、厳格にルール化した企業も。朝礼時に手ぶらの新人を見て、教育係が青くなるのは春の風物詩。また「人の話を聴くとき、相手が立っていたら必ず起立する」というルールを適用する会社も。「礼節を感じる」と社員からは好評。

※今回、リサーチを行ったなかから、際立ったルールをもとに編集部作成。

(写真=amanaimages)
関連記事
京都人の知れば知るほど怖くなるマナー
チャットとメールで変わる"文章のマナー"
真実も歪められてしまう「SNS」の怖さ
なぜモルモン教は不倫に異常に厳しいのか
正体見えた!音喜多駿は、小池百合子だ