難関中高一貫校に合格する子の家庭は政治談議する

小学生を相手に授業をしていると、「御三家」や「難関」といわれる中高一貫校に合格する子ほど、家庭で政治の話をしていることが分かる。どうやら親は、消費税、安保法制、北朝鮮問題など、わが子の将来に関わるかもしれない事柄を意図的に家庭内で話題としているようなのだ。

家庭で「政治談議」に触れる機会の多い子は、政権や政策への賛否を“理由”付きで述べることができる。「結局、憲法9条を改正しようとしているのは日本が戦争できるようにするため」とか「金正恩は危ない。だから日米同盟を強化しためには自然なこと」などと話すのだ。

もちろん、親の発言や報道番組のコメンテーターの受け売りであることも多い。10歳前後の子どもに大人の考えを刷り込ませるのはいかがなものか、という意見もあるだろう。しかし、浅知恵と片づけてしまうのはもったいない。学力が高い子は、政治に対しても大人がハッとするようなことを言うことがある。

▼子供の政治素養を高める、親の「つぶやき」

「都知事の『排除』発言はまずかったよね。あれで風が変わったよね」

「希望の党」を率いていた小池百合子都知事に、こう言った小学生もいた。この時、子供のくせに知ったかぶったことを、と意見を蹴散らすのは簡単だ。だが、政治や政治家に興味を抱き意見を持つことは、「賢さ」を養い、学力を伸ばす効果があるように感じる。そうした賢い子は子供同士で意見を述べ合い、自分とは異なる視点や意見に接する中で、次第に自分の意見を洗練させていく。

では、自分の子供が政治に関心を持ちそれなりの意見を持てるようにするには、親はどうすればいいのだろうか。

「ニュースを見ながら、つぶやいてください」

私は親御さんにそう伝えている。親が思っている以上に、子供は親の何気ないつぶやきを聞いている。食事をしながらの家族だんらんの時間。すべてみる必要はないので、最初の15分間だけでもニュース番組を一緒にみてほしい。

そして、番組をみるだけでなく、取り上げられたニュースに対して何かしらつぶやいてほしい。たとえば待機児童の問題なら「ウチも保育園が見つからなくて苦労したわね」。または小池都知事が取り上げられれば、「小池百合子都知事の服のセンスってどう思う?」。とにかく、ニュースに対してひとことコメントしてみてほしい。