「御三家などの難関中に合格する小学生は、家庭で政治の話を避けない」。中学受験塾の代表・松本亘正さんはそう話す。いま難関中では、大人でも即座に答えられないような政治系の出題が増えているという。子供に政治的素養をつけさせるには、どうすればいいか。子供が興味をもつニュース番組を見る方法とは――。

小学生に最も有名な政治家は「豊田真由子前衆議院議員」

「このハゲーーー」「ちーがーうーだーろー!」。私が代表を務める中学受験塾に通う、有名私立小学校の男子たちは「2017年の学校内の流行語大賞はこれで間違いなし」と語っていた。

今夏、男性秘書にこれらの暴言を吐いたことが週刊誌に報道され、「ちーがーうーだーろー!」は「2017ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)にノミネートされた豊田真由子前衆議院議員。安倍晋三首相を上回り、いま小学生に最も有名な政治家だ。

「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン新語・流行語大賞2017ノミネート語掲載のウェブサイトより

なぜ、豊田前議員は小学生の注目の的なのか。

子供は、各政治家がどんな政治信条を持っているかはよく知らない。だが、面白い「人物」には食いつく。今年、政治家に不祥事やスキャンダルは数多かったが、中でも豊田前議員の振る舞いは、子供にとって最高のネタだったようだ。

▼小学生は、まずキャラクターから政治家に興味を抱く

小学生が歴史に興味を持つきっかけは、「人物」であることが多い。「坂本龍馬」や「織田信長」という人物のキャラクターに関心を持つことが勉強のきっかけになる。「船中八策」や「楽市・楽座」がきっかけで歴史に夢中になるケースは稀だ。政治にもこれと同じことが言える。

小学生は、まずキャラクターから政治家に興味を抱く。たとえ面白おかしい話題から関心をもったとしても、政治や政治家に興味を抱くのは悪いことではない。ただ、政策への関心に直接結びつくわけではない。