全国紙の中で読売だけがズレている
最後に日経新聞と東京新聞、それに産経新聞の社説を読もう。日経と東京は各紙から1日遅れた8月2日社説を掲載している。
日経は「国有地売却を徹底して調べよ」との見出しで「ただし一連の問題の核心は、あくまで国有地の売却にある」と書き、「この取引について、政治家の関与や、官僚の『忖度』がなかったかどうかが大きな問題となったが、詳しいいきさつは依然分からないままだ。補助金の不正受給容疑の立件はもちろん、国有地売却の問題についても検察は捜査を尽くし、経緯を明らかにしていく必要がある」と訴える。まともな社説である。
さらに日経社説はこう指摘する。
「大阪地検特捜部はかつて証拠品の改ざん・隠蔽事件を起こし、検察への信頼を大きく傷つけている」
「森友事件は同地検にとっても力量が問われる正念場になる」
沙鴎一歩もそう思う。
東京新聞の見出しは「『神風』の真相に迫れ」だ。社説の本文中でもちろん、国有地の安値売却に大きく触れ、「財務省との交渉進展について、泰典容疑者は3月、国会の証人喚問で『神風が吹いた』と証言している。それで国民の財産たる国有地が格安で売却されてしまうのであれば、とても納税者は納得できまい。検察には、捜査を尽くして『神風』の真相に迫り、疑惑の全容を解明してもらいたい」と訴えている。
次に産経社説(主張)。「騒動の本丸ともされた国有地の払い下げの経緯についても、徹底的な検証が必要だ」と強調し、昭恵氏の問題に対しても。「一連の疑いが事実とすれば、安倍昭恵夫人が一時期就任していた『名誉校長』の肩書が詐欺行為の舞台回しに利用されたことは否定できまい。軽率な行動を、改めて厳しく批判したい」と手厳しい。
繰り返すが、全国紙の社説の中で読売だけが、かなりピントがズレている。そのズレは沙鴎一歩には故意に思えてしまうが、どうだろうか。