親EUか反EUか、グローバリズムかナショナリズムか。仏世論を二分した大統領選で極右のマリーヌ・ルペン候補を破って新大統領に。清新な風貌、鋭い弁舌、16歳のときに一目惚れした高校の恩師で25歳年上の人妻を執念の略奪婚──ゴシップ報道が先行する実力未知数のフランス史上最年少指導者だ。ルペン回避のため鼻をつまみながら選んだ有権者も多いが、グローバリズムを肯定し、開放経済とEUの重要性を正面から訴えての当選は、世界のナショナリズム、右派ポピュリズム台頭の潮流に一石を投じた。
前オランド政権の経済相という意味では左派だが、元ロスチャイルド系銀行幹部で巨額の報酬を得ていたブルジョワジーの権化でもあり、中道を自称する。6月の下院選対策もあって新内閣はバランスを重視。大臣の半数は女性で、外務担当はオランド政権から、経済担当はサルコジ政権から登用。しかし反原発のエコロジスト、ニコラ・ユロ氏を国務相兼環境相にし、原発推進派でアレバ社のロビー活動家だったエドゥアール・フィリップ氏を首相にしたことは、政策分裂の火種となりそうだ。
就任式では「社会における分断や分裂を克服する」と訴えた。しかし融和、バランスを重視するあまり具体策を欠く姿勢は「ことなかれ主義」に陥る恐れもある。有権者の期待に応えられなければ、次の大統領は反EUの極右候補かもしれず、そのときこそEUは終焉するとの声も。彼の双肩にはフランスのみならず、EUおよび世界の命運もかかっている。
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