獲得できたかもしれない顧客を逃す

そういえば、立ち技の格闘イベント「K-1」の成功以来、世間は「○-1」だらけになった。ピン芸人日本一を決める番組は「R-1ぐらんぷり」、B級グルメのナンバーワンを決めるイベントは「B-1グランプリ」といった形だ。しかし、検索をしてみると、ありとあらゆるもので「○-1」はある。たとえば「P-1グランプリ」を検索してみると以下が出てくる。

◆「パナソニック」の会員向けネットキャンペーン
◆福井県小浜市の「プリン」の祭典
◆キャバクラチェーン「プリンスグループ」のキャバ嬢売り上げバトル
◆若者による山口県内就職促進動画コンテスト(プレゼンテーションとパッションの頭文字から)
◆「パンジャンドラム」最速王決定戦
◆日本精神神経科診療所協会の研修会に関する「プレゼンテーション」

そういったわけで、これから新商品やサイトをつくるにあたっては、若干の「キラキラネーム」を意識したほうがいいだろう。とにかく同じような名前が多過ぎると、せっかく獲得できたかもしれぬ顧客を他に奪われてしまうかもしれない。「P-1グランプリ」とつけたくなるかもしれないが、プリンの祭典であれば「小浜・プリン大決闘祭2017」とかでいいんじゃないのかな。

【まとめ】今回の「俺がもっとも言いたいこと」
ネットで検索上位を狙いたければ、名前には他とかぶらない言葉を用いるべし
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973年東京都生まれ。ネットニュース編集者/PRプランナー。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『バカざんまい』など多数。
関連記事
売れっ子コピーライターに学ぶ「キラキラ言葉」のつくり方
『シン・ゴジラ』『君の名は。』……ヒット商品はどのように生まれるか?
「社長のネーミングセンスに困惑」どうしたらいい?
「まずはネット検索」で欲しい情報が遠ざかる
検索上位の「無料相談」に電話したらヤバいのか?