いわゆる「キラキラネーム(読み方が難解すぎたり、個性的すぎたりする人名)」はネット雑談のなかでも大いに盛り上がるテーマのひとつである。「親のエゴだ」「子どもがかわいそう」「個性があっていい」「将来を考えているのか」「親には命名権がある」――いつまでたっても明確な結論は出てこない。一方で、最近、企業名や商品名については「キラキラネーム」でもいいのではないか、と私は思い始めている。

それは読みにくい漢字を使え、ということではなく、唯一無二の言葉をいかに生み出すか、ということである。

企業名や商品名には唯一無二な名称を

昨年、DeNAのキュレーションメディアが問題視された折、彼らがSEO対策に力を入れ、検索上位に表示されるような技を駆使していたことが話題になった。ツイッターの普及以降、「検索エンジン主導の時代は終わった」などといわれていたが、検索エンジンの重要性はいまでも、それなりに高いといえよう。

先ほど、メルマガがタイミングよく届いたので引き合いに出してしまうが、「インテグレート」という戦略PRの会社がある(名指しをしてしまい申し訳ない)。「インテグレート」の意味は「統合」だが、グーグル検索で圧倒的な上位を占めるのが、資生堂のコスメブランド「インテグレート」である。2ページ目で同社は登場したが、同社以外にも家具やバッグなどを売る「株式会社インテグレート」が登場したり、競走馬の「インテグレート」も存在したりする。さらには、資生堂のインテグレートが行ったキャンペーンや、ニュース記事までもが続々と出てしまうのだ。

「ウチのほうが歴史は長いんだけど……」という同社・山田まさるCOOの苦笑が目に浮かぶようではあるが、ネットで目立ちたいのであれば、1990年代の企業名・商品名の常識から切り替えなくてはいけないかもしれない。それこそ、2009年に桃屋が「辛そうで辛くない少し辛いラー油」という、やたらと説明過多なネーミングの「食べるラー油」を発売し、大ヒットさせている。

そして、現在でもこうした説明過多(ただし、他にない)ネーミングの商品は続々と登場し、ネット時代のひとつの潮流となっている。たとえばセブンイレブンのプライベートブランド(PB)の商品名をいくつか見てみよう。

◆XO醤のうま味と香味油の香り 極上炒飯
◆オーブン焼きでうま味を閉じ込めたハンバーグステーキ デミグラスソース仕立て
◆まるでマンゴーを冷凍したような食感のアイスバー

行き過ぎな感じもあるが、検索において唯一無二の存在になるには、これくらいやらないと仕方がないのかもしれない。