「文部省の教育方針は根本的に間違っている」

「なぜ日本人は文部省を訴えないのか?」。私がキャスターを務めていたテレビ番組で、上智大学の教授だったグレゴリー・クラーク氏に問いかけられたことが忘れられません。氏はこう続けました。

「日本人は、義務教育の中学3年間をかけて英語を学んでいる。それなのにほとんどの人が英語を話せない、書けない、聞けない。膨大な時間を浪費していることになる。これは教育行政を担う文部省(現在の文部科学省)の教育方針が根本的に間違っているからだ。集団訴訟の対象だね」と。

日本人は英語の学習に熱心です。書店の「語学」のコーナーには、中高生向けには受験参考書、留学のためにはTOEFLやGMATのテキスト、社会人向けにはTOEICのスコア向上を謳った教材がたくさん並べられています。英会話の学校は数え切れないほどあります。編集者に聞くと、雑誌の「英語特集」もよく売れるとか。これは、英語に対して苦手意識を持っている日本人がいかに多いのか、という証拠です。