「伊達マスク」をする女性が増加傾向
ちなみに、ここ10年でもっともマスクが売れたのは2008年と2009年だったとか。
「2008年には鳥インフルエンザ、2009年には新型インフルエンザの流行がありました。当時は飛ぶようにマスクが売れていましたね。家族連れが大量に箱買いしていた印象があります。とくに2009年は『新型インフルエンザ』が流行語大賞を取るなど、メディアでも大々的に報道されていましたから、消費者の予防意識が過剰なまでに喚起されていたのでしょう」
とはいえ、その後もマスク需要はジワジワと拡大している、と加藤氏。
「2010年以降はいったん落ち着いて、マスクが爆発的に売れることもなくなりました。それでも、毎年5~10%ほど売上は伸びているんです。花粉症人口の増加や、インフルエンザといった流行病の世界的拡大などをきっかけに、予防目的で日常的にマスクを付けている人が増えていると感じます。また、風邪や花粉症でもないのにマスクを付ける“伊達マスク”の女性も多くなってきました。とりわけ若い女性は、シーズンに関係なく購入していく人が増えてきている印象です」
十数年前まで、マスクを付けているのは咳き込んで仕方がないような重病人か、重度の花粉症患者ばかりだったように思う。なかには、マスクを付けることにどこか気恥ずかしさや違和感を持っていた人もいただろう。
しかし現在では、マスクを付けていても世間的に浮いて見えるようなことがなくなった。それだけ、マスクが日常生活に欠かすことのできないアイテムになっている、ということなのだろう。