割って入るか「レモンサワー」「ジン」
そんな「1杯目・2杯目争い」のレースに、ここのところ新たな動きが出てきました。居酒屋の定番ドリンク「レモンサワー」に注目が集まっているのです。これまでもレモンサワーが名物という老舗の居酒屋はありましたが、比較的新しい店の中でレモンサワーに独自のこだわりを見せるところが増えています。
焼酎にレモンを漬けこんでレモン酒にしたり、レモンを凍らせて氷の代わりに使ったり、国産の青いレモンをふんだんに使ったりと、それぞれに工夫を凝らしています。さっぱりした飲み口や健康に良さそうなイメージ(酒飲みのただの言い訳ですが……)、また前述のように糖質を敬遠する流れも追い風となり、アップデートされたレモンサワーが改めて見直されているのです。
一方、違う動きも出てきています。まだまだ小さな芽のようではありますが、この数年「ジン」にも光が当たりつつあります。ジンといえば、ジントニックというこれまた定番中の定番ともいえるカクテルがあります。一定の年齢層以上の人にとっては「あぁ、昔はよく飲んだなぁ」という存在かもしれません。
サントリーは「ビーフィーター」というイギリス産のジンを取り扱っていますが、一部の飲食店で積極的にプロモーションを仕掛けています。ビーフィーターは「BEEFEATER」と書きますが、その名前の由来は「Beef」+「Eater」(牛肉を食べる人)とされています。
それに引っかけて、焼肉店や肉をウリにしたワインバルなどでは、「肉にあわせる」ことを前提としてビーフィーターを使ったジントニックをメニューにのせているのです(ジントニックになぞらえて「ジンと肉」というダジャレまで駆使しています)。