▼レッスン2:記憶するコツは、時系列を意識すること
「人は好きな小説や映画のストーリーなら、どんなに複雑な話でも、かなり細かい部分まで語ることができます。その理由は、小説や映画のストーリーが、頭に記憶しやすい『時系列』で展開されているからです」(弁護士・山口真由氏)。
たとえば、人がある映画のワンシーンをすらすら思い出すとき、時系列に沿って語られた物語の記憶を頭の中で再現し、そのワンシーンにたどり着いて思い出している。山口氏の記憶法は、この「時系列」を利用している。
ものを読む、聞くというインプットの経験は、必ず自分にとって、読んだ順番や聞いた順番という「時系列」のある経験となる。たとえば、山口氏が司法試験のときに勉強した法律や、大学受験のときに勉強した化学のテキストは、情報自体は時系列で記載されていないが、「自分が学んだ順」という時系列は存在している。山口氏はこれを利用していた。
学んだ知識を思い出す際は、自分が「経験」した順番、つまり自分が読んだ(見た)順番や聞いた順番で思い出すことで、必要な情報に容易にたどり着くことができていた。つまり、インプットの順番とアウトプットの順番を同じにすることで、思い出しやすくしていたのだ。