方眼付きの1日1ページが、ほぼ日手帳の基本コンセプトです。現在は文庫本サイズの「オリジナル」、A5サイズの「カズン」、長財布くらいのサイズの「WEEKS」、そして英語版の「Planner」というラインアップ。
手帳本体には、1年を半年分2冊に分けた「avec」があります。カバーが豊富で、今回のバリエーションは82種類。手帳は1年間つきあうものだから、皆さん自分が大事にしたいものが欲しいんですよ。だから、重たくなってもいいからカバーをつけたいんでしょう。カバーはいわば1年間のマイブーム。服を着替えるというより、ヘアスタイルを変える感覚に近いかな。
アーティストとコラボしたカバーもあって、自分なりのおしゃれが楽しめる手帳ですが、この「自分なりの」が、ほぼ日手帳のキーワードなのかもしれません。
否定するつもりはないんですが、これまでの手帳には押しつけがましいところがあるでしょう?
学校指定の体操着みたいでつまらない。僕は肌に合わなかった。ほぼ日手帳の出発点は、実はそこなんです。
そもそも、手帳は他人のためにあるものなんですよ。何時からは誰々に会う、何時からはこの仕事とか、それは自分のしたいことというより、実行しないと他人に迷惑をかけること。機能的によくできている手帳ほど、他人に都合がいい手帳なんです。
もちろん、スケジュールを管理する機能は手帳には必須ですけれど、もっと自由に、好き勝手に使える余白の多い手帳があっていいんじゃないかと考えたんです。だから1日1ページ。言うなれば「ほぼ日手帳」は、手帳としての機能性を備えた落書き帳ですね。だから、地方などでユーザーに手帳の使い方を見せてもらうイベントをやると、来場者たちは列に並んでいる間、隣の人と「見て、見て」って手帳を見せ合いっこしてるんですよ。お互い持っているだけで仲よくなれるんです。