他国の一流のビジネスマンよりも「安く雇われている」

もちろん、先に説明した名目GDPの6割程度が働く人に分配されていることを考えれば、GDPが伸びないので、20数年間給与が伸びていないというのはマクロ経済的には納得できる説明ですが、やはり、この状況では優秀な人材が海外に流出することが心配ですね。

それとも、日本企業に長く勤めている間に、世界レベルでは活躍できないようになっているから、他国の一流のビジネスマンよりも「安く」雇われるということなのでしょうか。

 

私はそうでないと信じていますし、実際にお会いする日本人ビジネスパーソンの中には本当に優秀な人たちが少なくありません。そういう状況では、彼ら、とくに若いビジネスパーソンは、外資に引き抜かれ、余計に日本企業が弱くなるのが心配です。

また、日本企業は、優秀な人材をとても安く雇用しているという認識が必要で、その人たちを活かし、もっと業績を上げようとすることが大切です。

いずれにしても、日本経済が成長しないのが一番の問題だと私は考えています。そのためにも、アベノミクスは金融緩和や財政出動のようなカンフル剤だけでなく、本物の「成長戦略」が必要なことは言うまでもありません。

経営コンサルタント 小宮一慶(こみや・かずよし)
1957年生まれ。京都大学法学部卒業後、東京銀行入行。86年米ダートマス大学経営大学院でMBA取得。帰国後、経営戦略業務などに携わったのち、岡本アソシエイツ取締役就任。96年小宮コンサルタンツ設立。企業経営の助言の他、講演や執筆も。最新著は『松下幸之助 パワーワード ―強いリーダーをつくる114の金言』(主婦の友社)、『小宮一慶の1分で読む!「日経新聞」最大活用術 2015年版』(日本経済新聞出版社)、『No1コンサルタントが教える 20代の後悔しない働き方』(青春出版社)、『一流に変わる仕事力』(中経出版)など。
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