▼曖昧な「すみません」は使わない
例:突発の仕事で同僚に協力を頼みたい場合
【×】「お忙しいところすみません。よろしければお手すきの際に、多少でも手伝ってもらえると助かるんですけど……」
→本人は丁重に頼んでいるつもりだが逆効果。「多少」では返答のしようもない。
【×】「あ、ちょうどいいところにいた! これ、頼まれてくれる? あのお客さん、うるさいから注意してね。なるべく早くお願いします!」
→単刀直入に頼んでいるつもりだが、自分の都合ばかり。まだOKしていないのに「注意して」は反感を買うだけ。
【○】「前回のレポート、ありがとうございました。今回は別件ですが、A社向けの資料を、水曜日には持参したいので、火曜日の午後1時までに仕上げていただけますか。もちろん私も手伝います」
→「何を」「いつまでに」「なぜ」を具体的に、相手の行動形で伝える。無理強いをせず、相手に判断材料を渡す。そのうえで歩み寄る。
▼「うまく断る」ための5ステップ
[1]相手の話をよく聞く――「だいたい~」「そもそも~」などの反論は厳禁。まずは相手の話をしっかり受け止める。
[2]「賛成」の点を伝える――相手の話の中で賛成できるところを1~2個みつけて伝える。例:「急いでいるんですね」
[3]「反対」の点を指摘する――不安や懸念などを「基本的には賛成ですが、この点はどうですか?」などと質問の形で伝える。
[4]こちらの意見を「解決策」として提案する――相手を否定する「厳しい指摘」ではなく、あくまで「親切なアドバイス」として本題について話す。
[5]その「解決策」が妥当か相手に確認する――「これならどうですか」などと相手に同意を求めながら、納得しているかどうか確かめる。
大学卒業後、日本ヒューレット・パッカードに14年在席。人事マネジャーなどを歴任。コンサルティング会社を経て、1998年に独立。企業研修を数多く手がける。『アサーティブ──「自己主張」の技術』など著書多数。