断るときには即答は避けるべし
では、逆に同僚からの頼み事を断らなければいけない場合には、どのように対応するのがいいのでしょうか。
頼み事が突然舞い込んできた場合、即答する必要はありません。深く考えずに反射神経で対応してしまうと、言わなくてもいいことを口走ったり、伝えなくてはいけないことを言いそびれたりする原因になります。できもしないのに、相手に遠慮して仕事を引き受けてしまうと「なんでおれがやらなきゃいけないんだ」とイライラが募り、感情を爆発させてしまうことにもなりかねません。待ってほしいなら「待ってほしい」、困っているなら「困っている」と素直に状況を伝えることです。
上手に断るには、次の5つの手順を踏むといいでしょう。
第1に相手の話に反論せずにしっかり聞き、理解を示します。2番目のステップで「急いでいるんですね」「確かに重要な案件ですね」と共感している点を挙げて、「あなたの立場はわかりました」という気持ちを伝えます。そして「状況はわかりましたけど、この点はどうなっていますか?」と不安に思うことを指摘して、質問します。次が、その不安の解決策の提案。「納期を延ばしていただけますか」「明日までに仕上げますが、7割の内容でもいいでしょうか」と否定や反論ではなく、代替案としてとらえてもらえるように話します。最後に「これならどうでしょうか」と相手に判断を委ね、解決策に納得してくれたかどうかを確認します。自分の主張を伝えるだけではなく、相手の確認をとることが大切です。
このように相手を尊重しながら自分の考えを主張できるようになれば、苦手意識を持った同僚は減り、同じ目標を共有できるチームができます。身近な同期や同僚に関心を持つことは、メリットが大きいのです。