あなたはどうして話すのだろう。人を叱るためか、物を頼むためか。最も重要なことは、「誰に」「なにを」ではなく、「なぜ話すのか」である。相手や場面に応じ、目的をみつめなおすことで、話し方は劇的に変わる──。

「挨拶だけでも」は距離を遠ざけるだけ

お客様との関係づくりは、会う前から始まっています。まず気をつけてほしいことは、「会う意図を隠さない」ということです。「ご挨拶だけでも」というフレーズは説明になっていません。目的を隠せば隠すほど、人は猜疑心を抱くものです。

相手のサービス精神につけ込み、貴重な時間をもらったにもかかわらず、ダメな営業マンは「とりあえず聞いてもらうだけでいいので」と一方的に商品の売り込みを始めます。このやり方が通用するのは「しがらみ」のある取引先だけです。