文章を書くのが苦手だ。メールの表現に悩み、時間がかかる。マナーに厳しい取引先がいる……。一般的な書き方を知れば、面倒は減る。今回、ニーズ別に、フレーズと文例を集めた。日本ビジネスメール協会の平野友朗さんと「ビジネス表現の基本」を確認しよう。
「お手すきのとき」は不親切な表現
「お願い」することの最大の成果は相手に「快諾」してもらうこと。私もいろいろな人からメールで仕事の依頼をいただきますが、その中には、「褒めて」「乗せて」「期待を添えて」「依頼」をしてくるのが上手な人がいます。そういうメールをもらうと、たとえ休日返上が予想されるタイトなスケジュールであっても、毎回気持ちよく引き受けてしまうものです。
おそらく「お願いメール」の極意は、そのあたりにあるのではないでしょうか。「お願い上手だな」と感心させられるメールにはいくつかの共通点があります。
まず、冒頭で感謝と好意を伝え、依頼の趣旨が簡潔かつ具体的に示してあります。お願いしにくい内容のときこそ、誤解の余地がない的確で簡潔な表現が重要です。もちろん期限も明記されています。さらに、依頼を受ける側のメリットをさりげなく提示したり、期待を添えることで、気持ちを前向きにさせる工夫がしてあります。
相手を慮って「お手すきのときに~」と期限をぼかすケースがありますが、これは不親切。私だったら後回しにしてしまいます。