セブン思考なら――「現状分析で課題を改善」
セブン-イレブンの鎌田靖氏は、「仕事の遅い人に必要なのは現状分析」と指摘する。
「部下に『早く帰れ』と言うだけでは、残業する代わりに仕事を家に持ち帰ったり、朝早く来るようになるだけ。それでは意味がないので、自分の仕事をすべて書き出させて、手順の適切さやムダの有無を上長と一緒に分析させるようにしています。上長と一緒にチェックすることで課題が見えてくることが多いですよ」
現状分析で浮かび上がってくる課題はいろいろあるが、なかでも改善すべきなのは商談時間だ。
「商談は1時間で設定されることが多いですが、3分の2の40分でやれと指導しています。残りの20分で次の商談の段取りをつければ、その後の仕事がスムーズに進みます」
仕事を効率的に終わらせるためにITツールを活用している人は多いかもしれない。セブン銀行の安齋会長は、ツールに頼ることに懐疑的だ。
「最近はツールの進歩で、サッと文章を書けるようになった。たくさん書けるようになったことで資料が分厚くなってしまった。これでは何が重要なのか見極められず、ムダばかり増えていく。本末転倒です」
いまさら手書きに戻すのは無理がある。大切なのは、伝えるべき情報を見極めて短く表現すること。
「いきなり紙に向かっても、うまくは書けません。僕は電車の中で、どう書けば相手にすぐ伝わるのかを考えながら毎日通勤していました。おかげで資料をつくるだけでなく、ちょっとした時間に手短に報告するのも得意になった。いまも鈴木会長に現状を伝える機会がありますが、僕が話すのは1~2分。それで十分です」
京セラ社長。1978年、同志社大工学部卒。京都セラミック(現京セラ)入社。半導体部品国内営業部長、半導体部品事業本部長などを経て2013年から現職。
日本航空客室本部チーフキャビンアテンダント。客室乗務員歴は20年超。2014年、JALフィロソフィ教育の進行役を務め、社員の意識改革にあたった。
セブン-イレブン・ジャパン執行役員オペレーション本部付。中央大学文学部卒。セブンカフェや自社開発商品のセブンプレミアムをヒットさせた。