ほかに小林氏がつかい勝手がいいというのが散布図の機能。

「たとえば横軸に女性比率を10%から90%まで取ってやり、縦軸に価格を取ると、女性が購入する高価格帯の商品が何かが一目瞭然です」

わかりやすさを追求するときには、非常に重宝だ。

2015年8月30日、小林氏ら営業戦略部のメンバーがエクセルのテクニックを駆使して分析した結果を反映した新商品が発売された。「あらびき牛肉のミートソース」だ。

「売れているミートソースパスタの評価ポイントを分析したら“本格的”“しっかり”というキーワードが出てきたのです。新商品は肉がしっかり入っているミートソースパスタになりました」

エクセル活用の成果である。

データサイエンティストの商品解析

▼外部データを駆使してトレンドを読み解く

[図A]分析結果はストーリー(仮説)に沿って説明しやすいようにパワーポイントで仕上げる。そこに張り付けるグラフはエクセルの機能を用いて見栄えよく作成している。

[図B]新しいミートソース味のパスタを開発するために、外部の調査会社のデータも用いる。それを分析し「おいしい」と感じたミートソースのキーワードを数年の推移で見比べてトレンドを読み解く。ほかにカルボナーラやペペロンチーノ、たらこ(明太子)など、主力パスタのデータも比較。また、ほかのCVSや外食チェーンでどんなパスタが人気で、その理由は何かを分析し、新商品開発に活かす。

▼ID-POSデータでヒット商品を分析

[図C]大ヒット中の「グリーンスムージー」が、どんな人にどんな時間帯に購入されているかを調べた内部データをまとめた資料。今後の広告や品ぞろえの戦略に活かされる重要なものだ。

[図D]エクセルをつかえば数値が円の大きさであらわされるバブルチャートもつくれる。円の大きさが売り上げの大きさを示し、近い円同士の飲料は競合になりやすいことをあらわす。チャートから、グリーンスムージー(緑の円)は競合関係にある類似のドリンクがないことがわかる。また、性別・世代の輪を重ねると、とくに30代、40代の女性(オレンジの円)に好まれる飲料であることが一目瞭然。

(Top communication=構成 岩田亘平=撮影)
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