では、その(3)攻めの中身はというと、REIT(不動産投信)に10%、国内株式15%、海外株式10%、新興国債券に25%となります。
REITは日本版REIT(J-REIT)を。海外から見れば日本の不動産は割安感があり、海外資金の流入が続いています。とりわけ東京の不動産は東京五輪の2020年に向かって上昇が見込まれています。資金的に現物不動産への投資は難しくても、REITなら活用できます。
国内・海外の株式については、現在、基本シナリオは世界経済の回復。中国経済など不安材料はありますが、マーケットが堅調に推移することを見込めば、やはり攻めの中心として欠かせません。また、成長率が高い新興国の債券は、高利回りという魅力的な状況が当面続く可能性が高い。
新興国債券や株式など攻めの投資は、長い目で見ることが大切。たった2、3年で結果が出ないからと焦ったり、処分するのは禁物です。短期間の多少のブレは静観すること。特に定年が遠い年代なら、なおさらです。自分の本来の仕事が疎かになるのを避けるためにも、価格の変動に一喜一憂しないことです。
ハイリターンが期待できる新興国債券に投資する場合は、手数料が高くつく国内投資信託ではなく、米国に上場しているiシェアーズやハイイールド債など海外のETF(上場投資信託)も狙い目。米ドル建てなので為替リスクはありますが、当分の円安基調を前提に考えれば視野に入れていいでしょう。
ファイナンシャルプランナー。1967年生まれ。外資系電機メーカーを経て96年FP。個人向けコンサルティングなど。著書に『「投資で失敗したくない」と思ったら、まず読む本』ほか。
1982年、神奈川県生まれ。一橋大学卒業。野村証券でプライベートバンク部門、金融資産10億円以上の顧客のコンサルティング担当等を経て退社。金融ポータルメディア“ZUU Online”運営。