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一口数万円から投資できる

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東証REIT指数は急回復

J-REIT(Jリート)市場が2012年後半ぐらいから回復の兆しを見せ始めている。2011年12月末の時価総額は約2.9兆円だったのが、13年3月末時点では7兆2481億円になっている。特に物流施設を投資対象とするJリートの上場が相次ぎ、その割合は、12年10月まで3%未満にすぎなかったが、13年2月末時点で7.5%まで拡大するに至っている(取得価格ベース)。

不動産証券化協会によるパフォーマンス比較を見ても(13年3月末時点)、Jリート予想分配金利回りは3.24%で、国債10年物最長期利回り0.56%、東証一部株式配当利回り1.69%を大きく上回り、好調ぶりがうかがえる。好調の要因として、日銀の金融緩和が期待され投資が活発化したこと、不動産市場がマーケットサイクルの底を打って回復に向かっていること、Jリートの価格にもともと割安感があったことなどが挙げられている。

Jリートとは日本版の不動産投資信託のことで、投資家から預かったお金を、主に賃貸不動産に投資して運用し、賃貸不動産が生み出す家賃等の収益が投資家に分配される仕組みになっている。本物の不動産に投資する場合は、最低でも数百万円が必要だが、Jリートの場合、一口数万円~数十万円から投資ができることが魅力の一つになっている。

ただし、「Jリートの場合、運用はあくまでもJリートの会社任せで、その点は実物の不動産投資とは大きく異なる。実物の不動産投資の場合、収益目標の設定、収益管理は自らが行うことになる」と述べるのは、サラリーマンの副業として実物の不動産に投資して大家業を行っている石川貴康さんだ。

石川さんはサラリーマン時代に(現在は経営コンサルタントとして独立している)、ワンルームマンションへの投資から始まって、その後、マンション8棟・67室、ほかに駐車場等の大家になっている。どうして、サラリーマンにそんなことが可能だったのか?

「最大のポイントは、持ち家を買わなかったこと、つまり住宅ローンを組まなかったこと」という返答が戻ってきた。

住宅ローンというのは、見方を少し変えてみると、その人の信用に応じて銀行等がお金を貸してくれる制度といえる。一流企業のサラリーマンなら1億円以上を借りられるかもしれないし、中小企業のサラリーマンでも数千万円なら借りられるケースが一般的。ところが、住宅ローンでお金を借りてしまうと信用を使い切ってしまうことになり、いざ不動産投資をしようとしても、銀行がお金を貸してくれなくなる。