北風か太陽かなら「太陽政策」
心配なのは、女性活躍推進法の実効性だ。行動計画の数値目標に決まった基準はなく、自社で自由に設定していい。また公表すべき情報項目は1つでかまわない。たとえば女性の退職が多い会社は、それに関連する数値を隠し、他の見栄えのいい数値だけを公表してお茶を濁すことも可能だ。
さらにいうと、女性活躍推進法には罰則規定がない。これで女性の活躍が進むのか。千葉弁護士の見解はこうだ。
「企業に厳しくしすぎると、誰も守らない法律になるおそれがあります。今回の法律には、女性の活躍推進に取り組む優良企業に厚労大臣のお墨つきを与える認定制度が盛り込まれました。このことからもわかるように、厳しくするより応援することで女性の活躍を進めようというのが、女性活躍推進法の趣旨なのです」
童話「北風と太陽」でいえば、太陽にあたるのが今回の法律。本当に目論み通りに進むのか、引き続き注目だ。