メールだと急に感じが悪くなる人
「よろしくお願いします」は万能の結び文句ですが、メールを受け取った後に何をすればいいのかが明示されていないと、先方は困惑してしまいます(ダメメール5)。
まず、「~をお送りします」「~についておうかがいします」など、「自分がこのメールですること」を本文のはじめのほうで明記。それを受ける形で「ご確認のうえお返事いただければ幸いです」「ご教示のほどよろしくお願い申し上げます」など、相手にしてほしいことで本文を結びます。社内向けには敬語でなく、「確認願います」「関係者に伝達してください」といった「敬体」で十分です。
実際に会って話をしているときは感じのいい人なのに、メールになるとなぜか印象が変わる方がときどきいらっしゃいます(ダメメール6)。
用件を簡潔に伝えることはビジネスメールの基本ですが、たとえば手直しや改善を依頼するようなとき、ストレートなダメ出しの文句だけを並べたのでは、先方にとってきつい文面になってしまいます。
本文の冒頭で「原案をお送りくださりありがとうございました」などと、相手に感謝する言葉を入れる。「お手数ですが、2点ほど微調整をお願いします」などと、クッション言葉を上手に使う。数字や個条書きで、修正してほしい点を具体的に伝える。同じ改善依頼でも、言葉遣い一つで印象は変わります。「至急」をあまり多用するのも、感じが悪くなります。
自分の都合だけで書かず、受けとる側の立場でも考える。ダメメールからの脱却は、そこから始まります。
鈴木真理子(すずき・まりこ)
損保大手の人事部や総務を経て独立。企業研修や公開セミナーで、これまでに3万人以上のビジネスパーソンを指導。著書に『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』など。