関西では浜学園が圧倒的強さ

関西圏については首都圏に比べて学校数が少なく、灘を頂点とする偏差値順の学校ヒエラルキーがはっきりしているのが特徴だ。ゆえに、灘の合格者数が塾の指導力の象徴とされている面が多分にある。

石田さんのデータによれば、灘の2015年入試の実績では、浜学園93人、日能研49人、希学園32人、馬渕教室27人が上位の顔ぶれ。その中で、上位校以上の合格率が特に高いのが、浜学園と希学園だ。

浜学園は、関西圏の中学受験を牽引する存在。希学園は、9塾の中では生徒の人数的規模が最も小さい部類に入る。それだけ少数精鋭で、難関校に特化した指導を行っているということ。その分、希学園の費用は他塾から群を抜いて高いといわれている。日能研、馬渕教室、能開センターの3塾は、似たような比率構成。

合格者総数では浜学園と日能研がツートップ。馬渕教室と能開センターがそれを追っている。

しかし前述の通り、合格実績、得意とする偏差値帯だけではその塾がわが子に合っているのかどうかを判断することはできない。そこでさらに各塾がどのような仕組みで子供たちの学力を伸ばそうとしているのか、その意図の違いを理解することが大事になる。

その意図を私は前述したように「スモールステップ」と呼んでいる。次回はこの「スモールステップ」という中学受験塾選びの新しい観点について説明する。

関連記事
「開成」「灘」が名門校になった理由
子どもを「伸ばす親」「つぶす親」の共通点5
中高一貫校の生徒たちが“荒れ”にくい理由
わが子を合格に導く「ドM」塾教師 4つの口癖
あえて「中学受験をしない」という選択をしたら